コンヤ?トロピカル?バタフライ?ガーデン?アンド?インセクト?ミュージアム?プロジェクト(KTBG)は、トルコ國內で初めてとなる生態展示博物館です。蝶や昆蟲を自然に近いかたちで観察する、珍しい體験ができます。博物館はコンヤ市セルジュクロ行政區によって発注?運営されており、蝶と昆蟲の生態を展示する展示室とドキュメンタリー映像を流すミニ映畫館で構成されています。
建物は、面積2,100m²の蝶園、550m²の昆蟲館、さらに多目的ホールと事務所、カフェ、ショップの入った800m²の複合用途と3棟に分かれていますが、上空から見ると全體で蝶のかたちを表現していることが分かります。
屋外のスポーツ?公園施設、商業施設、カフェ、プール、ソリのコースなどを含めるとKTBGは延べ380,000m²に及びます。さらにKTBGの位置するバタフライ?バレー公園內には1,000席の野外ステージや6つの裝飾的なプールもあります。
アラップは、意匠設計に加え、インフラ計畫やファサードエンジニアリングも手がけました。
蝶をかたどった構造
建築面積は約3500m²です。蝶のようなデザインを実現するために採用されたのは、シェル構造です。鉄骨ラチスの二次曲面シェルが1階レベルの RC耐震壁によって支持されています。シェルを二次曲面にすることで、面外方向の座屈に対する抵抗を大きくし、比較的細い中空部材の使用が可能になりまし た。
気象條件
コンヤの大陸性気候は、相対濕度が19%程度と濕度が低いのが特徴です。設計の基準となる外気條件は、夏期、乾球溫度 33.8°C、濕球溫度 17.1°C、冬期の乾球溫度は-13°Cです。これに対し、蝶の生息に適した熱帯気候を作り出すために、室內は常に乾球溫度26 ± 2°C、相対濕度85% ± 5とする必要があります。アラップは年間を通して、気溫と濕度を一定に保つことができる閉じた環境を作り、コンヤに熱帯気候の空間を実現しました。